子供の頃、コーヒーを飲む大人を見て、
「大人はなぜこんな苦い汁を飲めるんだろう?」
「こんな苦い汁を平気で飲めるなんてかっこいいな。」
「自分も大人になったら飲めるようになるんだろうな。」
そんな事を少年時代に考えていたのを思い出しました。
現在、大人になって8年、28歳。
未だにコーヒーは苦手です。
そもそも、なんで大人の人はコーヒーが飲めるんでしょうか?
というかいつから飲めるようになるんでしょうか?
まずは、生まれた頃、赤ん坊の頃まで遡って見てみましょう。
人間の味覚には大きく分けて次の六味があります。
「甘味」「塩味」「旨味」「辛味」「苦味」「酸味」
赤ちゃんの時、お母さんのおっぱいに含まれている成分は
「甘味」「塩味」「旨味」です。
それ以外の味は毒物だと判断し、吐き出せるようになっています。
現に赤ちゃんが遊ぶようなおもちゃにはあえて苦味を感じる塗料を塗り、誤飲を防止しているものも多くあります。
お母さんのおっぱいを飲み、スクスク成長してきた私達、
いつの日からか毒物と判断していた「苦味」「酸味」を含むコーヒーを好き好んで飲むようになるのです。
これに必要なのは「経験」です。
人間、成長の過程で色んなものを食べて、舌に色んな経験を積ませている内に自然と「辛味」「苦味」「酸味」が美味しくなっていくのです。
コーヒーをはじめ、サザエやサンマの苦い味、トムヤムクンの酸っぱ辛い味。
赤ちゃんの頃には絶対に食べないものが、好物になっていきます。
つまり、コーヒーというのは多くのことを経験し、酸いも甘いも嚙み分けた人間だけだ味わえる至高の飲み物なのです。
コーヒーを飲んでいる人が大人に見えるのはこの為です。
色んな「成功」、「失敗」を乗り越えて、初めてコーヒーが飲める様になります。
そういう意味では「コーヒー」と「人生」は似ている気がしますね。
コーヒーが飲めない私はまだまだ経験不足、修行不足。
キレとコクが出る僧侶になれる様に日々精進です。