7月寺報「すべてお見通し」

〜自分を好きな人は修行者?〜


皆さんは人を好きになったことはありますか?

いわゆる「恋」という奴です。

あの甘酸っぱい奴です。

他人を好きになるのが「恋」ですが、

皆さんはまず自分の事は好きでしょうか?

日本人に自分のことを好きですか?と質問すると

謙虚な人が多い様で「好きじゃない」と回答が返ってくる事が多いです。

仏教の経典には自分を愛する事について書かれています。

「本当に自分を愛している人は悪を遠ざける」

自分の事が好きな人は悪に染まる自分、汚れていく自分、悪い自分が許せないはずです。

本当に自分が好きであるならば、自分で自分を律して行く。

それができないのであれば、本当の意味で自分の事を大事にしていない。

というのが仏教的な見解なのです。

そして、それが出来る人を真の修行者と呼ぶそうです。

人に好かれたいと思う人はその人に好かれる為に自分を好みのタイプに寄せていきます。

でもそれはもはや自分ではなく、作られたあなたなのです。

人の魅力というのは不思議なモノで、そう簡単に出来上がるものではありません。

色んな壁や難を幾度となく乗り越え、磨かれてできるものです。

小手先の技術で相手の好みに寄せてもメッキはいつか剥がれます。

人を好きになる前に自分を好きになる。

自分を好きになると自分を律する修行者になって行く。

修行を行うと自分が磨かれ、魅力が溢れて行く。

人に寄せて行く事は何とも愚かで、つまらないものです。

「口を慎み、よく考えて語り、心を落ち着け、真理を明らかにする修行者は優しく甘美である」

お経の言葉です。

優しさは魅力の一つです。さあ、自分を好きになりましょう。